公正証書遺言
[最終更新日]:2018/01/13
公正証書遺言とは、公証人が遺言者の口述をもとに遺言書を作成し、その原本を公証人が保管するものですから、安全で確実な遺言書であると言えます。
口述の際には、2名以上の証人立会いが必要です。
公証人が作成した遺言書に、遺言者、証人、公証人が署名押印すれば、公正証書として認められます。
公正証書遺言の作成手順
(1)誰に、どの財産を、どれだけ相続させるのかあらかじめ決めておきましょう 。
(2)証人が2名必要です。心当たりがない場合は、公証役場でも手配してくれます。
※推定相続人、未成年者、公証人の配偶者・四親等以内の親族、書記および使用人などは証人の資格がありません。
(3)必要な書類を集めます。
ⅰ)遺言者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
ⅱ)戸籍謄本(遺言者と相続人との続柄がわかるもの)
ⅲ)遺贈を受ける方の住民票(相続人以外の人に遺贈する場合)、法人の登記簿謄本(会社等の法人に遺贈する場合)
ⅳ)財産特定のための不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書(または納税通知書)
ⅴ)預貯金、有価証券等の通帳・証券等のコピー
ⅵ)遺言執行者の住民票等
ⅶ)証人の住民票等
などが必要となります。
(4)公証人と打合せをし、遺言の案文を作成してもらい、必要に応じて修正をしてもらい、最終案を確定します。
(5)公正証書の作成日時・場所を予約します。公証役場に出向けない場合は出張してもらいます。手数料も計算してもらいます。
(6)当日、遺言者と証人が遺言内容を確認し、署名押印をします(遺言者は実印、証人は認印)。その場で手数料を支払い、正本1通、謄本1通を受け取ります。
作成された原本は、原則として20年間公証役場に保管されます。
20年間の期間が経過した後でも、特別の事由により保管の必要がある場合は、その事由がある間は原本が保管されます。
実務の対応としては、20年経過後も原本を保管しているのが通常です。
遺言は満15歳以上であれば作ることができますから、若いうちに公正証書遺言を作る場合は、事前に公証役場に確認しておくのがよいでしょう。
公正証書遺言をお勧めできるのは、紛失、偽造を防止できることもありますが、一番は法的に間違いのないものを作成できることです。
また、公正証書遺言は、日本公証人連合会が運営する検索システムに登録され、全国どこの公証役場でも検索でき、遺言公正証書の有無は容易に確認できるようになっています。
ただし遺言者の生前は、遺言者本人以外は公正証書遺言の閲覧、謄本の請求をすることができません。